植毛に興味はあるものの、頭に何百か所も針を入れると聞いて「麻酔は痛いのか」「終わったあとはどれくらい痛むのか」が気になり、カウンセリングの予約に踏み切れない。痛みが怖くて決められずに迷っていませんか。
結論から言うと、自毛植毛は局所麻酔で頭皮をしびれさせて行うため、手術中の痛みは麻酔の注射が中心です。国際毛髪外科学会(ISHRS)は、術後の不快感は多くの人で軽度で、1〜2日ほど続いたあと、触ると痛む状態が7〜10日ほど続くのが一般的としています。ただし、痛みの感じ方には個人差があり、「痛くない」と言い切れる手術ではありません。この記事を読めば、どの場面でどんな痛みがあり、どうすれば和らげられるのかがはっきりします。
この記事でわかること
- 植毛で痛みを感じやすい場面
- 局所麻酔と鎮静の仕組み
- 術後の痛みが続く期間の目安
- FUEとFUTの痛みの違い
- 痛みを和らげるための準備と工夫
- すぐ受診したほうがよい症状
植毛の痛みは「麻酔の注射」と「術後数日」が中心
自毛植毛で痛みを感じやすいのは、手術の最初に打つ局所麻酔の注射と、麻酔が切れたあとの数日間です。
米国皮膚科学会(AAD)の患者向けページでは、多くの患者は手術中ずっと目が覚めた状態で、頭皮をしびれさせる麻酔だけで済むと説明されています。ISHRSの患者向け冊子でも、手術中の不快感は通常わずかだと説明されています。
場面ごとの痛みの目安を整理すると次のとおりです。
| 場面 | 痛みの目安 | 主な対策 |
|---|---|---|
| 局所麻酔の注射 | 針を刺すときにチクッとした痛みが出やすい | 鎮静剤の使用、細い針や注入のしかたの工夫 |
| 手術中(採取・植え込み) | 麻酔が効いていれば痛みは少ないことが多い | 痛みを感じたらその場で伝えて麻酔を追加 |
| 手術当日〜1、2日 | 軽い痛みや、採取部のつっぱり感 | 医師が処方する鎮痛薬 |
| 術後1週間前後 | 触ると痛む、ヒリヒリする | 頭皮を強く触らない、こすらない |
手術時間は、AADでは4〜8時間程度とされています。長時間同じ姿勢でいることによる首や腰の疲れも、当日のつらさとして挙げられやすいポイントです。
局所麻酔と鎮静で手術中の痛みはおさえられる
手術中の痛みは、局所麻酔で頭皮の感覚をなくし、必要に応じて鎮静剤で緊張を和らげることでおさえます。
局所麻酔の役割
局所麻酔は、毛包を採取する後頭部・側頭部と、植え込む前頭部や頭頂部の両方に打ちます。麻酔が効くと、その部分の痛みの感覚が鈍くなります。全身麻酔ではないため、意識がある状態で受ける手術です。ISHRSの患者向け冊子でも、植毛は局所麻酔による外来手術として行われるのが一般的と説明されています。
鎮静剤の役割
ISHRSは、手術前に不安を和らげ痛みを感じにくくするための薬を使うことがあるとしています。FUE法の解説では、さらに快適に受けられるよう、飲み薬・筋肉注射・点滴で鎮静を行う医師もいると紹介されています。AADも、リラックスのために軽い鎮静剤を使う患者がいると説明しています。
鎮静の方法や使えるかどうかはクリニックによって異なり、持病や体の状態によっては使えない場合もあります。痛みが特に心配な人は、カウンセリングで「麻酔の方法」「鎮静を使えるか」「手術中に痛いときはどうするか」を確認しておくと安心です。
術後の痛みは1〜2日で落ち着き、触った痛みが1週間ほど残るのが目安
術後の痛みは、多くの場合1〜2日で落ち着き、その後しばらく触ったときの痛みが残る経過が目安です。
ISHRSは、術後の不快感は多くの人で軽度にとどまり、通常は1〜2日以上続くことはなく、その後7〜10日ほど触ると痛む状態が続くとしています。また、採取した部分(ドナー部)には1〜2日ほど「つっぱり感」を覚える人が多く、軽い鎮痛薬が処方されることが多いと説明しています。
痛みのほかに出やすい症状
- 腫れ:一部の人に、術後3日目ごろからおでこのあたりに腫れが出て、3〜4日で引く経過がみられる(ISHRSの冊子より)
- しびれ:採取部や移植部の感覚が鈍くなることがあり、多くは2〜8ヶ月で消えていく(同上)
- かゆみ:傷が治る過程で出ることがある。かきむしらないことが大切
腫れやあざを抑えるため、冷たい湿布やスプレーを使ったり、術後2〜3日は上体を少し起こした姿勢で寝るよう指示されたりすることがあると、ISHRSの冊子には書かれています。具体的な過ごし方は、手術を受けるクリニックの術後指示に従ってください。
FUEはFUTより術後の痛みが少なかったという報告が多い
メスで頭皮を帯状に切り取るFUT法より、パンチで毛包を1株ずつくり抜くFUE法のほうが、術後の痛みが少なかったと答える患者が多いとされています。
ISHRSのFUE法の解説では、FUTと比べてFUEのほうが術後の痛みが少なかったという報告が多く、回復も早く、多くの場合で不快感も少ないと説明されています。FUTは切った部分を縫い合わせるため、抜糸までの間につっぱり感が続きやすい点が違いです。
| 比較項目 | FUE法(くり抜き) | FUT法(切り取り) |
|---|---|---|
| 採取の方法 | 細いパンチで1株ずつ採取 | 頭皮を帯状に切り取り、縫い合わせる |
| 術後の痛み | FUTより少なかったという報告が多い | 縫合部のつっぱり感が出やすい |
| 傷跡 | 小さな点状の傷跡が多数残る | 線状の傷跡が残る |
| 抜糸 | 原則不要 | 必要(溶ける糸を使う場合もある) |
ただし、FUEでも傷がまったく残らないわけではありません。ISHRSも「FUEは傷跡がない手術ではない」としています。国内の多くのクリニックはFUE法を採用していますが、術式は痛みだけでなく、採取できる株数や傷跡の出方も含めて医師と相談して選びましょう。

痛みを和らげるために事前に確認・準備しておきたいこと
痛みへの不安は、事前の確認と術後の過ごし方の準備でかなり小さくできます。
- カウンセリングで麻酔の方法、鎮静の有無、術後に出される鎮痛薬を確認する
- 持病や飲んでいる薬、過去に麻酔や薬で体調を崩した経験を正直に伝える
- 手術当日は前開きの服を着ていき、帰りは公共交通機関やタクシーを使えるようにしておく
- 術後1〜2日は予定を入れず、休める日程で手術日を決める
- 処方された鎮痛薬は指示どおりに飲み、自己判断で市販薬を追加しない
カミノクリニックの公式サイトでも、施術前の不安や緊張は痛みを強く感じる一因になると説明されています。わからないことを残さず質問して納得してから受けることが、結果的に痛みへの不安を減らす近道です。
カミノクリニックの痛みへの配慮
痛みを重視してクリニックを比べるなら、麻酔や鎮静についての説明が具体的なクリニックを選ぶと安心です。候補の一つとして、カミノクリニックの案内を紹介します。
カミノクリニックの公式サイトでは、少し眠くなる点滴を使って手術を行うこと、術前の局所麻酔の注射ではチクッとした痛みを感じる人がいること、手術中に痛みを感じた場合は麻酔の調整ができることが案内されています。施術時間は株数によって異なり、平均で4〜6時間とされています。
術式はFUE法による「カミクリ式植毛術」で、日本製のオリジナル機器「CFUシステム」(直径0.85mm以下の極細針)を使います。料金は基本治療費220,000円+1株550円で、500株の費用例は495,000円です。後頭部を刈り上げずに採取する「ノンシェーブン植毛術」は1株880円です(2026年10月時点・公式サイトより、税込・自由診療)。最新の料金は公式サイトで確認してください。
カウンセリングは無料で、医師の診察と血液検査を経て施術日が決まります。体の状態によっては施術できない場合もあり、必要な株数もカウンセリングで決まります。痛みが心配なことを最初に伝え、麻酔の方法を具体的に聞いてみるとよいでしょう。

痛み以外にも知っておきたい植毛のリスクと受診の目安
自毛植毛は外科手術なので、痛み以外にも腫れ・出血・感染などのリスクがあり、気になる症状は早めに手術したクリニックへ相談します。
- 出血や腫れ、内出血
- 毛包のまわりの炎症(ニキビのような赤いブツブツ)や感染
- 採取部・移植部のしびれ
- 既存の毛が一時的に抜けるショックロス
- 採取部の傷跡、移植した株が生着しないこと
ISHRSの冊子では、感染はきわめてまれとされる一方、毛包のまわりに軽い炎症が起きることがあると書かれています。痛みが日ごとに強くなる、赤みや腫れが広がる、膿が出る、熱が出るといった場合は、我慢せずに手術を受けたクリニックへ連絡してください。
なお、自毛植毛は自由診療(保険適用外)です。植えた毛はAGAの影響を受けにくい後頭部・側頭部の毛ですが、植えていない既存の毛は薄くなり続けることがあるため、フィナステリドなどの治療薬の併用を医師と相談するのが基本です。

よくある質問(FAQ)
麻酔の注射はどれくらい痛いですか?
針を刺すときにチクッとした痛みを感じる人が多く、注射の場面がいちばん痛かったと感じる人もいます。痛みの感じ方には個人差があり、一律には言えません。鎮静剤を併用できるクリニックもあるため、注射が苦手な人はカウンセリングで伝え、どのような方法で麻酔をするのかを確認しておきましょう。
全身麻酔で眠っている間に終わらせることはできますか?
自毛植毛は局所麻酔で行うのが一般的で、AADも多くの患者は目が覚めた状態で受けると説明しています。眠くなる程度の鎮静を併用するクリニックはありますが、全身麻酔を行うかどうかはクリニックの方針によります。希望がある場合は、対応しているかを事前に問い合わせてください。
術後の痛み止めは市販薬でもいいですか?
術後の鎮痛薬は医師が処方するのが一般的で、ISHRSも医師が適切な薬を処方すると説明しています。処方薬と市販薬の成分が重なることもあるため、自己判断で市販薬を足さず、追加したいときは手術を受けたクリニックに相談しましょう。
痛みが長引くことはありますか?
ISHRSによると、多くの人は1〜2日で強い不快感が落ち着き、その後7〜10日ほど触ったときの痛みが残る程度です。これより長く続く、だんだん強くなる、腫れや赤みが広がるといった場合は、炎症や感染などの可能性もあるため、早めにクリニックを受診してください。
まとめ:植毛の痛みは麻酔と術後数日が中心、不安は事前の確認で減らせる
自毛植毛の痛みは、局所麻酔の注射と、麻酔が切れたあとの数日間が中心です。
- 手術は局所麻酔で行い、必要に応じて鎮静剤を使う
- いちばん痛みを感じやすいのは麻酔の注射の場面
- 術後の不快感は1〜2日が中心で、触った痛みが7〜10日ほど残るのが目安
- FUE法はFUT法より術後の痛みが少なかったという報告が多い
- 痛みが強くなる、腫れや赤みが広がる場合はすぐ相談する
痛みが心配な人は、まずカウンセリングで麻酔の方法と術後の鎮痛薬について質問し、説明に納得できるクリニックを選んでください。不安を残したまま急いで決める必要はありません。